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まつのみさおびじんのいきうめ
松の操美人の生埋
三遊亭 円朝
Read 松の操美人の生埋 (まつのみさおびじんのいきうめ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,963 characters · 176 screens
三十四
ことで、申すまでもなく頭髪を剃こぼち、墨の法衣を着て、みすぼらしい姿で隠家を出ます所をどうか御覧遊ばして下さい、また其の折貴公様にお盃を戴いて、心を洗いかえて立退きとうござりますから、くれ/″\も右の時刻に御尊来下されたし、此の儀を偏えに願い上げます」
三十四
山「成程、来いと仰しゃれば行きもしましょうが、頭髪を剃らんでも改心さえすれば宜しい頭ばかり円くっても心を改めんでは何にもなりません、お前さんがそうしなければ気が済まんとなれば出家にでも何にでもお成りなさい、折角のお頼みだから明日夕景までに、お前さんの隠家は知りませんが、尋ねて行きましょう、同類の者は速かに立去らして下さるように」
圖「お出で下さるか、承知致しました、実に有難い事で、呉れ/″\もお間違いはありますまいな」
山「いや行くと云ったら屹度行きます、さア馬にお乗りなさい」
圖「恐入ります御免を蒙り仰せに随い…然らば明日夕景にお目通りを致しましょう、必ずお待ち申す」
と馬の口を取りまして、悄々として粥河圖書は真堀口を降りまして立去りました。山三郎は何事か知らんが頼まれたからまア/\行ってやろうと、直ぐ馬の首を立直して鴨居山を下りまして宅へ帰ろうと思ったが、ふと胸に何か浮んで急に西浦賀の方へ馬の首を向けました。