Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Read 浅草風土記 (あさくさふどき) by 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,294 characters · 318 screens

Aozora Bunko

町々…… 人々……

浅草広小路

一

この小伝遊、その後、金三となったり、三福となったり、円鏡となったり、円遊となったりしたが、五六年まえ高座を退き、いまでは柳橋でたいこもちをしている。あるとき逢って、わたくしは、その話をした。すでに六十を越したかれは……そして、そのうえ半ば失明したかれは、むかしながらのその色の白い顔に、寂しくただ微笑をうかべたばかりだった。望んだがうたってくれなかった。

それにしても、

“泉水に、泳いでいるのは、ありゃ金魚……”

そのあとの文句は何というのだったろう?……おもいだせそうでだせない……

(発表年未詳)

町々…… 人々……

浅草広小路

一

昭和二十八年の年末、ぼくは、つぎのような手紙をうけとった。

“突然、手紙をさし上げます。失礼、お許し下さい。私の名、さだめしお忘れのことと存じますが、昔、田原町においでの時分、先生と私とはよい遊び友だちでございました。そして、お宅で、始終芝居ごッこをいたしました。奥のお座敷で刀をふり上げて遊んだ一人です。そのときの遊び友だちは、砂糖屋の山屋の弥ッちゃんをはじめ、駄汁粉屋の太田屋の何とかいった子、何とかいう菓子屋の何とかいった子等、みなさん、もう、故人におなりのことと思います。