Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Read 浅草風土記 (あさくさふどき) by 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,294 characters · 318 screens

Aozora Bunko

二

――おっ母さんの身になったら、素直にそう働かれれば働かれるほど、人情にからみはしないだろうかと思いますが……

でも、二十一の暁になると、栄ちゃんは、すぐに、また、以前のとおりの秘蔵っ子に返るのです。そうして兵隊がすむと、許嫁の娘さんと一しょになるのです。――その許嫁の娘さんというのは、やっぱり同じうちにいるのですが、しかしこのほうは、お嬢さまさまでおくに納まっています。月に一度や二度は芝居にでも行くらしく、よく、おっ母さんや女中たちと一しょに車で出かけるのをみかけます。

たしか今年、栄ちゃんは二十になった筈です。――もう一年です。あともう一年で罪障が消滅します。

見世の月日と奥の月日とが、別々に経って、やがてまた、一しょになるのです。――それにしても、その、許嫁の娘さんはどう思っているのだろうと思います。

しかし角のつるやでは、そのうちに、もう、お雛さまをはじめて、じきにまた、五月人形をはじめましょう。

盆提燈がすむと、すぐに今度はお会式の造花。――そういううちにも、断えず、月日はながれて行くのです……」

二

いまをさる十一年まえ。――明治四十五年の一月に、わたしは、こうしたものを「三田文学」