Japanese reading practice

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Read 浅草風土記 (あさくさふどき) by 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 162,294 characters · 318 screens

Aozora Bunko

黙阿弥は、もう一度、その新しい店のために披露のあいさつを書いた。

“寝じやか堂の裏長家、手狭な宅へ蒲焼と、世間並の行燈かけ、丼飯を専一に、価もひくき中二階、むさい所へお厭ひなく、おはこび茂く売高も、光る梯子のとん/\びやうし、鰻は素よりどぜう鍋の、重/\のお誂へに、湯よりもあつき御ひゐきの、御客様のお進めうけ、懇意の中に天家寿が、元居た跡へ引移り、すこし手広にしやもかしは、時分柄の鳥なべも、切こむ葱の五分すかぬ、食類家のお口に合ふやう、精々心を用ひ升れば、軒端に団扇の音絶えず、いぜんにましての御来駕を、主人の頼に河竹其水、御なじみ様へ願ふになん。

寝じやか堂地内 花又屋八五郎”

この花又屋八五郎は成功者だったらしい。……ところが、寝じゃか堂地内に関して、もう一枚、こういうのがあるのである。

“いろは長家の縁語により、忠臣蔵に引札を、前にも准へし事ありしが、てうど今度も守田座で、討入の日の一昼夜、幕あり幕なし十二幕、此短日に安売ゆゑ、世間の評も良金は、名に大星の余光なり。されば茲にも天安が、家台見世から仕上たる、二階造の大道具、其小道具の器物迄、そつくり跡を引受けて、彼十二時の趣向に基き、下料を名代看板に、再び見世を明六ツから、廓帰の御入来あらば、蜆玉子のつなぎの早幕、五ツに川岸から引返す、魚荷の徒党も四ツには