Japanese reading practice

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

」

明智はそういって、足もとにつぶされたようになって、よこたわっていた大カブトムシのうえにしゃがみました。そして、そのぶきみな口に手をかけて、グッとひらき、口の中へ、かた手を入れて、しばらくなにかやっていたかとおもうと、やがて、そこから、小さな器械のようなものを取りだしました。その器械には長いひもがついていて、口の中からズルズルと、ひきだされてくるのです。

「これです。これは小型のラウドスピーカーですよ。怪人が、自動車の中にあるマイクロフォンにむかって、口をきくと、その声が、このラウドスピーカーから出るという、しかけです。それで、カブトムシの中に、人間がいて、ものをいっているようにかんじられたのです。むろん、自動車と、この地下室のあいだには、ながい電線がひいてあったのです。草にかくしておけば、電線など、だれも気がつきませんからね。

それで、むこうの声が、聞こえたわけが、わかりました。しかし、こちらの声が、自動車の中まで、つたわらなければ、問答ができません。それには、この地下室のどこかに、マイクロフォンが、しかけてあるはずです。」

明智はそういって、刑事の懐中電灯をかりて、地下室の中を、あちこちとてらしていましたが、てんじょうのすみに、ひどくクモの巣のはっている場所を見つけました。