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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
船室のがい骨
船首の怪物は、ひときわ大きな声で笑いながら、さっと、身をひるがえすと、ウロコをキラキラひからせながら、ふなばたの手すりをこして、ドボーンと海の中へ、とびこんでしまいました。
いそいで、ふなばたにかけよって、のぞいて見ると、鉄のワニのようなやつが、船とならんで泳いでいましたが、あっと思うまに水中ふかく沈んで、海面から姿を消していきました。
鉄の人魚です。鉄の小箱の海図をぬすむことができなかったので、ひそかに賢吉君らのあとを追い、この船まで、つけてきたのでしょう。海中にとびこんだといっても、あいつは、もともと海の怪物です。船とおなじはやさで、泳いでいるのかもしれません。そして、どこまでも、しゅうねんぶかく、賢吉君たちのあとを追ってくるのかもしれません。
船室のがい骨
小林少年は、このできごとを、無電で東京の警視庁に知らせ、そこから明智探偵事務所へ伝えてもらいました。
それからは、べつだんのできごともなく、ハヤブサ丸は潮ノ岬の沖につきました。宮田さんの手にいれた海図には、大洋丸の沈んだ位置の緯度と経度が、ちゃんとしるしてありますから、その位置の海底を、水中探測機でさぐればよいのです。