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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
洞窟の怪異
いうまでもなく、魚形潜航艇をめざしているのです。
水夫が、およぐにつれて、ロープにつながれたタルも、その方へ引かれていきます。そして、見るまに、魚形潜航艇のそばへ近づいていきました。
すると、それをまっていたように、魚形艇の背中の、まるいガラスが、パッと、上にひらいて、そこから、人の顔があらわれました。
「うまくいったか。」
「うん、子どもはタルの中にいる。このロープを、しっぽの方へ、くくりつけてくれ。」
海の中の水夫が、そう答えて、魚形艇にのぼりつき、ガラスぶたの入口から中へすべりこみました。
すると、中にいた男が、いれかわって、魚形艇の背中にあらわれ、ロープのはしをもって、艇のしっぽの方へ、走っていきました。
しばらくすると、その男が帰ってきました。
「しっかり、くくりつけた。これでもう、だいじょうぶだよ。」
そういって、魚形艇の背中の入口へすべりこむと、まるいガラスのふたが、パタンとしまり、魚形艇は、そのまま、しずかに海中に沈んでいきました。あとにはロープにひかれたタルが、プカプカと波にただよっているばかりです。
洞窟の怪異
タルにつめこまれた賢吉少年は、あまりのおどろきに、しばらくは、気をうしなったようになっていましたが、やがて、じぶんのはいっているタルが、ゆらゆらと、はげしくゆれていることが、わかりまし