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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
」
小林君は、あわれっぽくもちかけました。
「ふーん、道にまよったといって、こんな人もとおらぬ山おくへまよってくるなんて、おめえ、よっぽど、どうかしているぞ。だが、まあいい、こっちへはいるがいい。めしぐれえ、くわしてやるだ。」
こわい顔ににあわぬ、しんせつな男でした。小林君は、例の大袋を持ったまま、小屋の中にはいって、いろりのそばに腰をおろしました。
やがて、男は、いろりにかけてあるなべの中から、ぞうすいのようなものをちゃわんによそって、小林君にたべさせてくれました。小林君は、それをすすりながら、
「おじさんは、こんなところで、なにをしているの?」
と、たずねてみました。
「おれか、おらあ猟師だよ。この山にゃ、いろんな鳥やけだものがいるからな。それをとって、ふもとの村へ売りにいくだ。それがおれのしょうべえさ。アハハハ……。」
と、大きな口をあいて笑いました。顔じゅうひげだらけで、まっ黒ですから、ひらいた口の中が、おそろしく赤いように見えました。
「ぼく、道にまよってね、このへんの山んなかを歩きまわったんだよ。そうすると、このむこうの方に大きな鉄のお城があったよ。