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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
いったい、あれは、だれなの?」
「みかただよ。待ちに待った明智先生さ。」
「えっ、明智先生?」
「賢二君、ぼくはね、ここへくるときに、明智先生の事務所にかっている伝書バトをつれてきたんだよ。そのハトの足に、この鉄の城のある場所を、くわしく書いた通信をくくりつけて、ゆうべ、はなしてやったのさ。その通信がとどいて明智先生が助けにきてくださったのだよ。先生ひとりじゃない。長野県の警察から、おおぜいの警官隊もきているんだって。いまの懐中電灯の信号で、それがわかったんだよ。もうだいじょうぶだ。ねえ、賢二君、ぼくたちは助かったよ。」
「わあ、すてき。伝書バトをとばすなんて、やっぱり小林さんは、えらいねえ。」
賢二少年も、にわかに、元気になってきました。
通信がすむと、むこうのホタルのような光は、パッタリ消えたまま、ふたたびあらわれませんでした。やみの中を警官の一隊が、明智探偵をせんとうにたてて、鉄の城のまわりへ、ヒシヒシと、せめよせているのでしょう。いまにも、そのさわぎがおこるかとおもうと、小林君は胸をドキドキさせながら、耳をすませて、ようすをうかがっていましたが、いつまでたっても、下の城の中の建物は、シーンとしずまりかえっているばかりです。