Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
どうしたんだ。故障がおこったのかい。」
書生の戸田が、運転手に声をかけました。すると、むこうをむいていた運転手が、ひょいと、こちらをふりむいて、ニヤリと笑ったのです。
「あっ、きみはさっきの運転手とちがうじゃないか。いつのまに、いれかわったんだ。そして、きみはいったい、だれだっ!」
「こういうもんさ。」
運転手はふてぶてしい声で答えて、ニューッと、ピストルをさしつけました。
「あっ、それじゃ、きさまは……。」
戸田はびっくりして、となりの賢吉少年をだくようにして、まもりました。あいてがピストルを持っているのでは、どうすることもできません。
「なあに、きみたちの命をもらおうとはいわない。鉄の小箱さえだせばいいのだ。さあ、はやくだせ。」
戸田は、すきがあれば、自動車からとびおりて、にげようと、そっとドアのとってに、ゆびをかけました。
すると、あいては、はやくもそれをさっして、にくにくしく笑うのでした。
「ハハハ……だめだめ、にげようたって、にげられるものじゃない。ドアの外をよく見るがいい。」
はっとして、ガラス窓の外を見ますと、いつのまにあらわれたのか、窓のすぐそばに、ものすごい顔の男が立ちはだかっていました。