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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

その中に人間がはいって、海の底へ沈むのです。

鉄の玉には、あついガラス窓があり、その上にサーチライトのような強い水中電灯がついていて、海の中がよく見えるのです。

また、その鉄の玉には二本の鉄のうでがあって、そのさきは、ものをはさむ大きなツメになっています。鉄のツメです。

サルベージ会社では、潜水夫がもぐれないような深い海底の仕事をするときに、この潜水機をつかうのですが、船長は、まんいちのことをかんがえて、その機械を船につんできたのです。

ハヤブサ丸には、重い潜水機をあつかうための小型のクレーン(起重機)がそなえてありました。数名の船員が、クレーンを動かして、ワイヤーロープで、船倉から潜水機をつりあげ、その中へ、技師がはいりました。それから、機械を密閉すると、クレーンのむきをかえて、海面につき出し、そろそろと、潜水機を海の中へおろすのでした。

潜水機の中は、ちょうど飛行機の操縦室のように腰かけたまま、なんでもできるようになっていました。席の前に、いくつもボタンがついていて、それをおせば、外の鉄のうでや、鉄のツメを自由に動かすことができるのです。

技師は、ガラスののぞき窓から、じっと海の中を見ていました。