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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
技師は、またハンドルを、ガチガチやります。鉄の腕が怪物の方にのびて、ワニのようなしっぽを、つかみそうになりました。
潜航艇の鉄の舌と、潜水機の鉄の腕の、おそろしいつかみあいです。機械と機械の、たたかいです。
海の底の水はうずをまいて、あわだち、さかなどもは逃げまわり、まるい鉄の潜水機は、ブランブランとゆれ動き、潜航艇はロープをはなすまいと、右に左にしっぽをふり、鉄の人魚は、その背中の上で、あばれまわり、命がけのたたかいが、つづけられました。
しかし、ついに、鉄のハサミの力よりも、ハヤブサ丸のまきあげ機の力が強かったのです。ロープはぐんぐんまきあげられ、潜水機は鉄のハサミをふりはなして、海面へと引きあげられてきました。
潜水機から出て、ハヤブサ丸の甲板にあがった技師は、ぜんしんびっしょりのあせで、まっかになった顔から、ボトボトと、あせがしたたっていました。かれは、ひとやすみすると、船長や賢吉君のおとうさんなどに、海底のたたかいのもようを、くわしく話してきかせました。
「敵が潜航艇をもっていようとは、思いませんでした。鉄の人魚には、たくさんのなかまがあるのです。