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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
宮田さんも、そのあとから走りだしました。
しばらくすると、明智探偵と宮田さんが、甲板にかけあがってきました。
「船室にはいません。みなさん、賢吉少年がいなくなったのです。手わけをして、船の中を、さがしてください。」
明智がさけびました。それから、おおさわぎになって、船員たちは、いく組にもわかれて、船の中のあらゆる場所をさがしましたが、少年の姿はどこにもありませんでした。
「へんですよ。水夫の北川もいなくなってます。もしやあいつが……。」
ひとりの船員が、報告しました。
「そうだ。あいつが、敵のまわしものだったかもしれない。賢吉君がひとりで、船から姿を消すはずはないのだ。」
船長が、くやしそうに、さけびました。
「魚形潜航艇の中へ、さらわれたのかもしれませんよ。われわれは、みんな潜水の仕事のほうに集まっていたので、反対がわに、潜航艇が浮きあがって、賢吉君を乗せていっても、だれも気がつかなかったでしょうからね。」
技師がじぶんの考えをはなすと、みんなも、たぶんそうだろうと思いました。
「しかし、無電の返事をうたなければ、賢吉がどんなめに、あうかもしれません。といって、金塊をわたすわけにはいかないし、明智さん、どうしたものでしょうね。