Japanese reading practice

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

なんの用事があるんだ……。」

甲板から、だれかが、大声でたずねました。

「ぼくは明智だ。よく顔を見てくれ。ここにいるのは小林だよ……。」

甲板の人たちは、明智探偵ときいて、びっくりしてしまいました。しかし、よく見ると、顔は黒くよごれているけれど、明智にちがいないことがわかりましたので、いそいで、はしごをおろしました。

漁師姿の明智と小林少年とは、はしごをのぼって、甲板にあがり、宮田さんや船長や技師などといっしょに、下の船室へはいりました。そして、三十分ほど、なにか相談をしていましたが、それがおわると、明智探偵は、なにか大きな黒いふろしきづつみを、こわきにかかえて、甲板にあがってきました。そして、小林少年といっしょに、また、もとの小船に乗りうつって、そのまま岩ばかりの海岸にむかっていきました。

ふたりが帰ってしまうと、ハヤブサ丸の中は、にわかにさわがしくなってきました。船長が、船員や水夫たちを呼びあつめて、ある命令をくだしました。すると、船員や水夫は、いそがしそうに、あちこちと歩きまわってなにかのよういをはじめたのです。まるで戦争でもはじまるようなさわぎです。