Japanese reading practice

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

だれかが懐中電灯をてらして、こちらへやってくるらしいのです。「賊の手下が、たべものを持ってきたのかしら。」とおもいましたが、それにはまだ時間がはやいのです。

「ひょっとしたら、こうしの外へつれだされて、ひどいめにあわされるのではあるまいか。」

ふと、そう考えると、賢吉君は、もう、おそろしくてしかたがありません。おもわず、ほら穴のすみっこへ身をちぢめて、ブルブルふるえていました。

でこぼこの岩壁に、反射する光はだんだん強くなり、やがて、むこうから、怪物の目玉のような懐中電灯が、ユラユラとゆれながら近づいてきました。

それを見ると、賢吉君の心臓は、まるでたいこでもたたくように、おそろしい早さで、うちはじめました。

懐中電灯は、賢吉君のいるろうごくのこうしのまえで、ピッタリとまりました。そして、岩のろうごくの中を、ズーッとひとわたり、てらしてから、そこへきた男は、じぶんの顔の方へ、光をあてて見せました。いつも、たべものをはこんでくれる、賊の手下です。

その男は、右手で懐中電灯を持ち、左手では、子どものからだぐらいもある大きな黒いふろしきづつみを、かかえていました。