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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
そして見る見る、かたちが小さくなり、あわだつ海の中へ消えてしまいました。
海に落ちても、大ガニのなかの二十面相は、死ぬようなことはなかったでしょう。いつかもあの大ガニは、海の底を、へいきで歩いていたのです。きっと、カニの中にも、酸素のボンベがついていて、二十面相は、それでいきをして、海の底を、はいまわることができるのでしょう。
かれは、そうして、どこかへ、逃げてしまうのではないでしょうか。しかし、用心ぶかい明智探偵は、こういう場合も、ちゃんと、考えにいれていました。
さっき、入口の岩を動かして、この岩あなにはいったとき、大いそぎで、手帳の紙をやぶって、鉛筆でなにか書いて、それを岩のすきまから、外へ落としておいたのです。
首領を追っかけてきた八人の勇士や、小林少年が、それを見つけたに、ちがいありません。そして、そこに書いてある、さしずに、したがって、八人のはだかの勇士は、水中メガネと、ボンベと、水かきをつけて、海底の洞窟の外へ泳ぎだし、そこに待っていた五人の勇士と、いっしょになって、敵が海底に、姿をあらわすのを待ちかまえていることでしょう。
それは、明智が考えたとおりにはこびました。