Japanese reading practice

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

ぼくが、その明智小五郎だとでもいうのかね。」

広田は、びっくりして、いすから、腰をあげました。

「あなたは、明智先生じゃないのですか。」

「わしが明智に見えるかね。」

「え、なんですって。」

「おれが明智に見えるかと、きいたのさ。ハハハハ……。おれも変装がうまくなったものだなあ。アハハハ……。」

その笑い声をきくと、広田は、はっとあることに気づきました。

「さては、きみは、おばけカブトムシの同類だなっ。」

「ハハハ……、そのとおり。きみは、なかなか頭がいいよ。」

「で、ぼくをどうしようというのだ。」

「ちょっと、とりこにしておくのさ。おっと、にげようったって、にげられやしないよ。そうそう、そこに立っていなさい。いま、明智探偵の発明したカラクリじかけをお目にかけるからね。名探偵さん、いいものを発明しておいてくれたよ……。」

そのことばもおわらぬうちに、おそろしいことがおこりました。広田青年の足の下の床板が、スーッと消えてしまったのです。あっというまに、広田のからだは、下へ下へと、おそろしいいきおいで、落ちていきました。めまいがして、なにがなんだか、わからなくなったかと思うと、ガクンと、背骨がおれるような、いたみをかんじて、そのまま気が遠くなってしまいました。