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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
ました。
あとでわかったのですが、このこびとは、よくきれる大きなナイフをタイヤのうすいところへつきさして、空気をぬいてしまったのです。空気がぬけるたびに、自動車が、グンと、しずむような感じになるものですから、運転台にいた助手の男は、「おやっ、へんだぞ。」といいながら、ドアをあけて、車をしらべるために、降りてきました。
助手が、右がわへまわったすきに、こびとは左がわの後部の窓に近づいて、そのガラスを、コツコツとたたきました。
中にいた賢二少年が、びっくりして、ガラスの外を見ますと。そこに、ひとりの少年の顔が笑っていました。そして「だいじょうぶだよ。安心したまえ。」というように、コックリとうなずいてみせるのでした。
この少年こそ小林君でした。かれは、明智探偵事務所をとびだすと、高橋さんの家にかけつけて、そのおもてに待っていた、悪人の自動車の、うしろの荷物入れにしのびこんでいたのです。そして悪人どもが賢二君のおとうさんを、神社の森へはこんでいるすきに、タイヤをきずつけて、自動車を動けなくしてしまったのです。さすがに、少年名探偵の小林君でした。
小林少年は、窓の外から賢二君に、安心するようにあいずをしておいて、そのままいちもくさんに、どこかへかけだして行きました。