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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
そして、ぼくが気をうしなっているあいだに、このカブトムシの衣装をきせて、丸ビルへかつぎこんでおいたのです。
けさ、気がついてみると、ぼくは、カブトムシのよろいの中にとじこめられて、二階の廊下に、ころがっていました。カブトムシの目のところに、ガラスがはめてあるので、外は見えました。ビルの中だということも、すぐわかりました。
ぼくは、さけび声をたてましたが、だれもきてくれません。階段をおりたら、人がいるかもしれないと思ったので、はいおりようとしたのです。でも、こんなよろいみたいなものを、つけているので、うまくおりられません。足がすべって、ころがり落ちてしまったのです。」
「ふーん、それじゃ、たいしてしかえしにもならないね。きみが、階段をおりないで、じっとしていたら、そのうちに、二階の会社の人たちが出勤してきて、きみを助けるにきまっている。そうすれば、きみは、ひと晩、カブトムシのよろいをきせられたというだけじゃないか。」
いちばん年とった会社員が、ふしんらしくいうのでした。すると、少年は、さも、くやしそうな顔をして、
「ところが、ぼくには、大きなしかえしになるのですよ。