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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Read 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 141,786 characters · 278 screens
武蔵自身が、自分を語っている上答書(履歴書と見てよかろう)であるから、原文のままを、ここに見よう。(著者解文)
われ等、身上の事、岩間六兵衛を以て、御尋につき、口上にては、申し分けがたく候間、書付て御目に懸け候。
一、われら事、たゞ今まで、奉公人と申し候てをり候ところは、一か所もこれなく、年まかり寄り、その上、近年病者になり候へば、何の望みもござなく候、もし逗留仰せつけられ候はゞ、自然、御出馬の時、相応の武具をも持たせ参り、乗替へ馬の一疋も、ひかせ参り候やうに有之候はゞ、能しく御座候。
一、妻子とても、これなく、老体に相なり候へば、居宅家財等のこと、思ひもよらず候。
一、若年より、軍場へ出で候こと、都合六たびにて候、そのうち四度は、拙者より先を駆け候者、一人もこれなく候、その段は、あまねく何れも存ずる事にて、もつとも、証拠もこれあり候、然しながら、全く、身上を申し立て致し候にては御座なく候。
一、武具の扱ひやう。軍陣において、それ/″\において、便利なる事。
一、時により、国の治めやう。
右は、若年より、心にかけ、数年たんれん致し候間、お尋ねにおいては、申しあぐべく候已上。