Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
そう! 女の肉体に!
「悪くはなかった」
と呟いた。
※悔の旅へ、浄罪の旅へ、出て来た頼春ではなかったか。
それだのにどうしてこのようなものに――殺人鬼などになったのであろう?
最初は決してそうではなかった。
神の界に属しまつる御一方より、許すとのお言葉承わるまでは、決して死ねない彼の行く手を、遮る者のあった時、彼は用捨なく殺したのであった。
が、そうして次から次と、人を殺しているうちに、「人を殺すというそのことだけに」興味を感ずるようになってしまった。
断末魔のもがき、末期の悲鳴、それが身心に感じられたとたん、鬱結していた血汐が下がり、圧迫されている心持ちが、一時に緩んで生き生きとなった。
この快味、この愉悦が、彼を殺人鬼にしたのであった。
それでいてもちろん心の奥では、神の界に属しまつる御一方にお逢いし、許すとのお言葉承わって、裏切り者の悶え心を、解放させたいと思っていた。
お許しを乾くように望みながら、実際においてはいよいよ許されぬ、悪虐の殺人を行なって、彼は旅をしていたのであった。
その間も彼は絶える暇なく「許すとのお言葉をくだされる、神の界に属しまつる御一方」