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Japanische Klassiker mit Furigana

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あさひのよろい

あさひの鎧

国枝 史郎

Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme

Aozora Bunko

大蔵ヶ谷右衛門は、裏庭から館の裾を巡り、前庭の方へ歩いて来た。

(浮藻様はおいでなされぬ。小次郎めもいないようだ)

大鉞が薄白く、その刃を月光に光らせていた。

「変だ」

と呟いて門の方を見た。

「潜り戸が開いている」

で右衛門は潜り戸をくぐり、館から外へ歩み出た。

人っ子一人通っていない、森閑と更けた夜の中に、館の築地が延びていた。

その築地を左へ曲がった。

と、行く手に一人の山伏が、女を小脇に抱えながら、向こうへ歩いて行く姿が見えた。

何がなしに気にかかり、右衛門は小走りに走り寄ったが、

(あッ、浮藻様だ! 山伏は範覚!)

「待て範覚!」

と大音に叫び、豹のように躍りかかった。

「誰だ※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

と浮藻を小脇に抱えた、金地院範覚は振り返ったが、

「や、わりゃア右衛門か!」

「汝が汝が浮藻様を!」

「授かったのだ! 貰って行く!」

「黙れ!」

鉞を振り込んだ。

「どっこい!」

ひっ外して範覚は、十数間ひた走り、

「右衛門、おさらば、いずれ逢おう!」

「待て!」

ビューッと鉞を投げた。

金剛杖を片手で振り、その鉞を刎ね飛ばし、

「うんにゃ、俺は待たねえことにした!」