Japanische Klassiker mit Furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Lesen Sie あさひの鎧 (あさひのよろい) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 239.520 Zeichen · 475 Bildschirme
「こうしてこのお部屋の出入り口を、この鉞で守りますのが、私の趣味でござります」
――で、もう首をうなだれて、立ったままで居眠りをはじめ出した。
頤髯たくましい彼の顔は、すぐに無邪気なものになった。
「小次郎様」
と浮藻は云った。
「ママのテコナの心持ちが、ではどうしてもあなた様には……」
(おれ降参だ)
と小次郎は思った。
(おれ、とんだことを云い出してしまった。おれ、一生云われるぞ)
「小次郎様」
と浮藻は云った。
「ママのテコナの心持ちが、わたしの心持ちでございますの。……でも妾はテコナのように、けっして二人の男などに、思われても恋されてもおりませぬ。……いいえいいえ誰も一人も、わたしなど恋してはくださいませんの。……でもわたしは、妾の方では、一人のお方を、たった一人のお方を……とても恋しておりますのよ。……でもそのお方は妾のことなど……」
この時この館の玄関の方から、人の声が聞こえて来た。
桂子はそれへ聞き耳を立てた。
右衛門もカッと眼をあいた。
「小次郎様」
と浮藻は云った。
浮藻には玄関からの人の声など、耳に聞こえては来ないらしかった。
「ママのテコナは二人の男に……」