Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶ
さぶ
山本 周五郎
Lesen Sie さぶ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 210.521 Zeichen · 415 Bildschirme
二の二
おのぶは片手で口を押えながら栄二をにらみ、またさぶに酌をした、「この八重歯は抜けるんですって、あたしいま十八でしょ、はたちになれば抜けるんですってよ」
「十八か、――それにしちゃあちびだな」
「きれえだよ」とさぶがとりなすような口ぶりで云った、「ほんとにきれえだ」
「お肴を持って来るわね」とおのぶが云った。
おのぶが去ると、さぶが栄二に酌をしようとした。栄二はそれを断わり、手酌でひと口啜った。
「まだ気になってしようがねえんだが」と栄二が脇を見ながら低い声で云った、「――先月の一日、いったいなにがあったんだ」
さぶはどきっとして、眩しそうに眼を伏せ、頭を垂れた。
「もう云ってもいいじゃあねえか」
「あのときは済まなかった」とさぶは口の中で呟いた、「栄ちゃんに心配させて済まなかったと思う、――それでおら、思うんだが」
「それはよせよ」栄二が遮った、「おめえが思うと云うといつもあと戻りをするばかりだ、肝心なことを話してくれ」
「うん」と頷いて、さぶは酒を啜ってから云った、「あの日、おみつちゃんが来たんだ」
二の二
おみつというのは芳古堂の娘で、としは今年十九歳、去年の春、日本橋檜物町の「さわ村」