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Japanische Klassiker mit Furigana

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それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

三

と、もうキンキンした声になっていた。

「まずさし当って、誰とおしやすか。ヤーさんどっか、オーさんどっか」

「ヤーもオーもない、そこらにうじゃうじゃしてる男という男、片っ端から……」

そう言いながら、君勇はさっきからじっと自分の方を見ていた望月へ、にやりと視線を送った。

「おやッ!」

と、望月も思いながら、笑い返した。

「おあいそ」

君勇は勘定を払うと、すくっと起ち上って、

「――お先イに。おーけに」

表へ出しな、ふと振り向いた。

望月はあわてて金を置くと、君勇のあとを追うて来た。

三

紅屋橋を渡ると、さっと風が走った。

君勇はちょっと腰をひねって、風が通るのを待ち、それから、鴨川湯の横を抜けて、先斗町の路地まで来ると、ふと思案するように立ち停ったが、やがて歌舞練場の方へ路地を歩いて行った。

望月はうしろからつけていたが、しかし君勇はそれには気づかぬような歩き方であった。まるで望月のことを忘れて――いや、無視しているかのようだ。

望月はいきなり足を速めて、君勇と肩を並べた。

「姐さん、どちらまで……?」

「…………」

返辞はない。

「お伴しましょうかね」

「うふふ……」