Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
九
と、聴き覚えのある司法主任の声だったが、何かいつもより晴々として、明るかった。
「――わざわざお呼び立てして、実は小郷事件が遂に解決しましたので、一寸お知らせしようと思って……」
「ほう……? それやわざわざどうも……。で、犯人は……?」
と、小田は固唾をのんだ。
電話の横に鏡があった。その鏡に小田の顔が写っていた。小田の顔は緊張のあまり稍青ざめていた。
「犯人は誰だと思います?」
「まさか、君勇じゃないでしょうね」
小田は、もし犯人が君勇だったら、新聞の記事通りだから、わざわざ電話が掛って来る筈はないと咄嗟に思った。
「ええ、君勇じゃないんです」
「梶君ではむろん、ないでしょう」
かつはほっとし、かつは一寸心配しながら、小田は言った。
「もちろんです」
「相馬弓子は……?」
「ああ、あの女摸掏。あなたのノートの通りです」
「じゃ、一体誰なんです」
「君勇の旦那です」
「えっ……? 一寸待って下さいよ」
と、小田は咄嗟に考えた。
「――君勇の旦那というと、小郷じゃないですか。小郷が小郷を殺すというのは、こりゃおかしいですよ」
「あはは……」
と、司法主任の笑い声が受話機を通して聴えて来た。