Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

九

「へえん。古い科白ね」

弓子は手を握られたまま言った。

「声を出して、人を呼べば、その人にあたしが掏摸だってことをバラすっていうわけね」

「そんな野暮なことはしたくないが、しかし万一そんなことになれば、君のためにならんというわけよ」

「構わないわ。バラしなさい。その代り……」

弓子はこれが最後の切札だと思いながら、言った。

「――あなたにもためにならん結果になってよ。いいえ、望月三郎という人気歌手にとって……」

「えっ……?」

九

「……望月のやつはね、思わずどきんとしたわ」

と、弓子は鶴雄に語った。

「――やっぱり効果があったのね」

「効果っていうと……?」

鶴雄は弓子の言っている意味が判らなかった。

「つまり、あたしが声を立てて、人を呼ぶと、あたしのことをバラすと言っておどかすから、あたしの方でも逆に望月があたしを脅迫したことをバラしてやる――とほのめかしたのよ」

「なるほど、奴さん、自分の人気に疵がつくのが怖いんだね」

「そうよ。ああいう男は人気だけが生命なのよ。あたし、それを利用してやったのよ」

「ふーん。君は鋭いね」

鶴雄は「架空のインタヴュー」の文句を想い出した。