Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
二
そう言いながら、何か狼狽していた。つまり、もう落着きを失っていた。
二
弓子はそんな小田を見て、うふふ……と笑った。
「何がおかしい。どうして笑うんです」
小田は芝居気たっぷりな男だと見えて、はったとばかり、弓子をにらみつけた。
「だって……」
と、弓子はなお笑いやまず、
「――先生は落したと思ってらっしゃるらしいから、おかしいわ」
「えっ……?」
と、小田は鶴雄と顔を見合わせた。
小田の顔は、毛虫を噛んだようになっていた。
「――落したッて、何をですか」
「これでしょう……?」
と、弓子はいきなり財布を見せた。
「あ、それッ!」
と、小田は頓狂な声をあげたが、鶴雄の手前を思ったのか、
「――どこに落ちてました。どこで拾って下さったんですか」
「先生のふところから、拾いました」
「えっ……? じゃ……」
「ええ」
と、弓子はうなずいて笑いながら、
「――掏ったんです」
「負けたッ!」
と、小田は額をたたいて、鶴雄に、
「――君の勝ちだね」
と、言った。
弓子はそんな二人の容子を不思議そうに見ながら、
「先生だと知らずに掏ったんですの、ごめんなさいね」
「いや、掏るのは君の自由です。