Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
「ふーん。こいつは面白い」
弓子は男のような口を利いて、
「――人生って面白いわね」
「で、君は……?」
と、こんどは鶴雄のきく番だった。
「小郷虎吉に会いに来たのよ」
弓子はズバリと言った。
「そりゃ判ってる」
「何のために会いに来たのかと、ききたいんでしょう……?」
「うん」
「当ててごらんなさい」
弓子の眼は瞬間豹のようにピカリと輝いた。
「そうだね」
と、鶴雄は暫らく考えて、
「――まさか、姉さんがひどい眼に会わされたので、その抗議に来たのだとは思えないね」
「無論」
簡単に答えて、弓子は、
「そんなばかげた用事で来やしないわ」
「だいいち、小郷って男は、よく知らないが、そんなことを取り合うような男じゃないだろうからね」
弓子の姉の千枝子が素人娘ならともかく、商売女である以上、抗議は成り立つまいと、さすがに色町生れだけに、鶴雄はよく知り抜いていた。
「そりゃそうよ」
弓子は急ににやりと笑うと、
「しかし、小郷虎吉も案外可哀相な男ね」
「えっ……? どうして可哀相だというの」
鶴雄がきくと、弓子は、
「実はそれを言いにきたのよ」
と、謎のような口を利いて笑った。
八
「ふーん」