Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
幹男は今更のように自分のした事を後悔した。
お雪は十九歳……。こぢんまり纒まった可愛いい顔立ちで、おまけに色が白かった。本名は芳枝だが、余り色が白いのでこの家へ女中として雇われて来た時、途端にお雪という名をつけられたくらいである。
幹男ははじめの間はそんなお雪を見ても何とも思わなかった。
が、ことしの正月、十七歳になると、もうお雪を見て、虚心坦懐でおれなかった。
幹男は時どき鏡の前でニキビをつぶしながら、お雪の肢態を瞼にえがくようになった。
ある日、学校へ行くと悪友が騰写版刷りの本を貸してくた。
この本は幹男の大人をにわかに目覚ました。
その夜、お雪が蒲団を敷きに来た。
じっと息を凝らしながら、幹男はお雪の容子を見ていた。
何かの拍子に、ちらと白い足が覗いた。
幹男はいきなり立ち上って、お雪のうしろへ廻った。
「お雪!」
「……? ……」
お雪は振り向いた途端、「あッ」いきなり足をすくわれてたおれた。
幹男は学校で柔道部へはいっていた。
お雪は幹男が柔道の手を見せたさに、冗談に、無邪気な気持で自分を倒したのだ――と思った。
そして、裾をかき合わせて立ち上ろうとすると、幹男はいきなり折り重なるように、お雪の体の上へ……。