Japanische Klassiker mit Furigana
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それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
十三
肩から背中へ小刻みにふるえている。
幹男はいきなりお雪ににじり寄って行った。
そしてお雪の顔に手を掛けて起そうとした。
幹男の手に熱い涙がポトリポトリ落ちて来た。
その時、
「お雪!」
と癇高い声が聴えて来た。
宮子の声だ。
お雪はつと起ち上ると、
「はい」
涙を拭きながら廊下へ出た。
宮子は怖い眼をして突っ立っていた。
「お雪! お前いま何をしていたの……?」
「…………」
「応接室にいる女の方、誰なの……?」
宮子はいま風呂から上って、応接室から聴えて来る鶴雄と若い女の声を耳にしたのだ。
「はい、お名前はお言いはれしめへんどした」
「なんぜ、あたしに黙って通したの?」
「はア、あの、若奥様はお風呂どしたさかい……」
「じゃ、断ればいいじゃないの」
その時、応接間のドアがひらいて、弓子はすっと出て来た。
十三
「そんなに叱ってあげちゃ気の毒だわ」
弓子はいきなり言った。
宮子ははっと振り向いた。
「あなたは……」
誰方ですの、と睨みつけると、弓子は、
「あたし……?」
にやりと笑って
「京洛日報の相馬弓子です」
「あ、新聞社の方ですか」
宮子の表情は急に和らいだ。
「はあ」