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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

一体この木などはどの位い昔に生れ、どの位い前に横倒しになったものであろう。

なめらかな木肌の色のうす赤い百日紅ばかりが唯だ一面に矗々と伸び茂っている所もあった。山毛欅ばかりがその巨大な根や幹を並べつらねて、空には日の光さえ煙ろうばかりに細かい枝を張り渡しているところもあった。おおくは落葉樹の林だが、時には樅の老木の一ところ茂っているのを見た。これはまたいかにも世を譲った老人たちの集りらしくも仰がれて可笑しかった。また稀に半ば折れたか朽ちたかした様な杉が一本だけぽっつりと落葉木の中に混って立っているのをも見た。死ぬのを忘れ、知慧を忘れた老婆が眼を瞑り指を組んで其処に坐っている様であった。或る窪地では思いがけない樒の密生林に出会った。いまその青黄いろい花の盛りで、烈しい香気が樹木に酔い樹木に疲れた私の心に怪しい注射を射す様に思われた。

初め私たちは池から離れてまた二十町も戻った時、最初に入り込んだ林をば出はずれたのであった。そして其処から更にもと来た道を下って行けば何の事もなかったのだが、不図其処に一条の分れ道のあるのを見て、これは何処へ行くのかと訊くと、ずっと林の中を通って下田街道の峠にあたる隧道のところへ出る道だというので、それでは是非これを行こう、なあに途中で暮れても月があるじゃないかというので強いて