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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなかみきこう

みなかみ紀行

若山 牧水

Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme

Aozora Bunko

そして眼を挙げて見ると沢を囲む遠近の山の山腹は殆んど漆黒色に見ゆるばかり真黒に茂り入った黒木の山であった。常磐木の森であった。

「樅、栂、檜、唐檜、黒檜、……、……、」

と案内人はそれらの森の木を数えた。それらの峰の立ち並んだ中に唯だ一つ白々と岩の穂を見せて聳えているのはまさしく白根火山の頂上であらねばならなかった。

下草の笹のしげみの光りゐてならび寒けき冬木立かも

あきらけく日のさしとほる冬木立木々とりどりに色さびて立つ

時知らず此処に生ひたち枝張れる老木を見ればなつかしきかも

散りつもる落葉がなかに立つ岩の苔枯れはてゝ雪のごと見ゆ

わが過ぐる落葉の森に木がくれて白根が岳の岩山は見ゆ

遅れたる楓ひともと照るばかりもみぢしてをり冬木が中に

枯木なす冬木の林ゆきゆきて行きあへる紅葉にこゝろ躍らす

この沢をとりかこみなす樅栂の黒木の山のながめ寒けき

聳ゆるは樅栂の木の古りはてし黒木の山ぞ墨色に見ゆ

墨色に澄める黒木のとほ山にはだらに白き白樺ならむ

沢を行き尽くすと其処に端然として澄み湛えた一つの沼があった。岸から直ちに底知れぬ蒼みを宿して、屈折深い山から山の根を浸して居る。