Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Lesen Sie みなかみ紀行 (みなかみきこう) von 若山 牧水 (わかやまぼくすい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 102.087 Zeichen · 203 Bildschirme
やがて二人三人と宿の前の坂道を人が走り出した。凄じい音で喞筒も坂を降りて行った。此処から一里半ほど下の山蔭に在る下和田村というのが焼けているのだそうだ。時計を見ると丁度一時半であった。
拵えて貰った握り飯を腰に提げて、新しい草鞋に履代えて朝早くその宿を出ようとすると驚いた。例の白痴がいつのまにかやって来て昨日の通りに石を持ち腕を曲げ首をかしげて、今朝ほどじゃんじゃんと鳴りわめいた半鐘の下に佇んでいたのである。側をそっと通り抜けながら、私はその真面目な顔を見るのが恐ろしかった。
村を出はずれると、一里ほどの間低い灌木の林の中を登った。つゆじめりのした林の茂みには黒つがという鳥があちらこちらで啼いていた。行々子に似た啼声で、それより遥に寂びのある山の鳥の声である。一里ほど登ったところで、私は路を右にとった。真直ぐに行けば戸数十軒あまりの十里木という峠村を越えて、駿河湾に面した裾野の森林帯を横切って大宮の方へ行くのである。一昨年はそれを行ったのであったが、今度は十里木まで行かず、その手前で折れて、いわゆる大野原の夏草原の中間を横断して御殿場へ出ようというのである。