Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
私は眠くなって来た。吸いかけの煙草をすてて、首をあげると、前には木立の深そうな丘が、ぼんやり見えて、左の路は峠ごしにメッゲン Meggen の方へ通うらしい。ふらふらとその気になって山越しにかかる。森は思ったほど深くはない、二、三軒の百姓家があって、いやと云うほど犬に吠えつかれた。どこをどう歩いたか、自分にも未だにはっきりしない、ただ峠をこすとそのうちに汽車の笛が聞えて、村らしいのに近づくと思ったら、だらだら路の左に小さなホテルが現われた、右に下りると停車場で、村の名はメッゲンである。
メッゲンはキュッスナハトの湖 K※(ダイエレシス付きU小文字)ssnacher See の西側にある小さな町で、湖水にそうてキュッスナハトの方へ行って見ようか、それもこの霧では仕方がなし、いっそ汽船を待ち合わせてルツァーンへ引きかえそうか、それも帰ったところで日曜ではつまらない、後で考えると馬鹿馬鹿しいが、今日の旅は随分もちあつかったものである。
いずれにしても、腹をこさえて上のことと、今来た坂路を戻って、さっきのホテルで、少し早いが昼飯を吩咐けた。空はだんだん明るくなって、ちらちらとキュッスナハトの波をさえ、窓のむこうに見下ろした。