Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
ベールエック B※(ダイエレシス付きA小文字)regg
ややなだらかな、山の斜面に、紅紫とりどりに彩られた、花野の上に、ベールエックのホテルが望まれた、なすり付けたようなアルペンローゼの紅の上に……。
ベールエック B※(ダイエレシス付きA小文字)regg
着いたのが、一時十五分前、板敷の食堂に荷を卸ろすと、焚火にあたって、汗と雨で、びっしょり濡れた着物を乾かしながら昼飯にする、窓からはアイガーの直下、アイスメーヤに砕け落ちた氷の山が、手に取るばかり近いが、上は、赤く崩れたギザギザの岩角が、雲の間に隠見するだけで、千六百五十米突のこの宿も、谷底に沈んだようにうす暗い。雨は尚お窓をかすめて縦横に降りしきる。
簡単な昼飯は、すぐに用意された、が、雨はますます激しくなって、シュトラールエックの小屋までの四時間は、この降りでは一寸こたえる、それに雨上りでは、折角着いたところで、明日の登山は見込みはないから、一同相談の上、このホテルに一泊ということになった。ホテルとはいかにも体裁はいいが、建て物からしてすでに小屋で、天井の低い、建てつけの悪い、寝室と名づけたのが、二階に六つばかりあるだけで、グリンデルワルトから、日帰りで遊びに来る客はあっても、大降りにでも出会わさなければ泊り込むものは殆んど無いそうで、宿帳を開けて見ても、知った名前はとんと見当らない。