Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
ベルン Bern
ている。私は身仕度をして立ちあがる、駅長殿ものそのそあとから山を下りる、発車は午後二時四十分、それまで閑そうな駅長室に、煙草をふかしながら座りこむ。駅長殿は日給六クローネ、細君に娘が一人で、官舎で電灯が只だから、暮しむきは楽ですって云ってた。
千九百十四年四月十四日―二十七日
ベルン Bern
街には、糸の小雨がしとしと降りそそいで、アヴェニューのスズカケノキの青葉若葉、しっとり濡れた石だたみを、行き来の人の靴音も静かに、レインコートではなんだか少し膚寒いものの様子が、先ず、春の朝のそれも若葉しぐれの暁け方と云った調子、七月も半ばはとうに過ぎた、二十四日とは、まるで感じが異う。停車場からプラッツへ出ると、靄が深く、オーベルラントの山はもう近いなとうなずかれる。
汽車の中でも停車場でも、博覧会のびらばかりで、この分では、やり切れまいと思ったが、来て見れば、別に心配したほどの騒ぎでもない。ブリュックフェルトの丘の上に、木立の奥に白い建物がちらちらして、青、白、赤、綺麗な彩をとりまぜた大旗小旗が、風もない街のうしろにだらりとしたのも、アーレの水は緑に冴えて、切ったての崖は昔ながらの鉄城に、敵はもう遠く落ちのびたそのあとへ、朝がけに乗り込んだ勇士のように間がぬけている。