Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

コモの湖 Lago di Como

、のんびりした水をわけて、無理やりに動いてゆく、右はラヴェノや、チェルロの岬が水にせまって、その山上の一つ家と見えるのは、サンタ・カテリーナ・デル・サッソ Santa Caterina del Sasso の尼寺である。

日は次第に傾いて、シムプロンの雪の山は、斜めに日を浴びた氷の尾根が、空にぬけ出ているだけで、ああ、今日の日はもう暮れてゆく。

サン・レオナルドの白塔が、残んの日にかがやいていた。

私はこの雪の山を見終めにして、もう山の湖に別れなければならない。楢の落ち葉は、アルプの雪とともに、ながく夢に通うことであろう。次の日は、うみ岸の靄の中を、なごり惜しげに見かえりながら、パランツァ・フォンド・トーチェ Pallanza-Fondo Toce から、ストレーサの岸の湖にそうてミラノに向った。

根なし雲のただよう山ふところの小村は、もうただ夢に見るばかりである。

……千九百十四年一月七日より二月七日

コモの湖 Lago di Como

旅のうちに、いつのまにか、春はなかばを過ぎてしまった。

数えると、もう先々月になるが、あの朝、北イタリヤのパランツァから、ラゴ・マジョーレの、靄に沈んだボロメエの島々を見かえりがちに、ミラノへ着いたのは二月七日の昼すぎで、今まで、眉にせまったスウィス境の氷の嶺は、もうなだらか