Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
レマンの湖岸
真っ黒な夜を、汽車にゆられて、再びシェネーフに着いたのは八時過ぎ、湖の湿り気が多いせいか、シャモニーよりかえって寒く感ぜられた。馬車を雇って例のホテルに入る、主人夫婦に喜んで迎えられた。
レマンの湖岸
山を出たせいでもあるまいが、此の間と同じ角の座敷に、昨夜は落ちついてゆっくり休んだ。眼のさめたのが朝の十時、靄は依然として晴れず、クェイ・ドュ・モン・ブロンをうろついても、ネーベル・ホルンがかすかに響くばかりで、真白な靄と小波と、そこに浮く幾群の水鳥を見て、あきらめなければならなかった。ローンの落ち口の碧い水に、ポプラの茂った小さな中の島がある、所在なさに橋を渡って、そこにあるルーソーの像などを見た、島は名によってイル・ルーソー Ile Rousseau と呼ばれる。流れをさしはさんだ商店や、名物の時計の工場、山を見た後では、何の興をもひかなかった。
午後二時十分発車、モントルーへ向かう。右の窓から湖水を見下ろすと、テレースは一面の葡萄畑である。スウィスの酒で第一にあげられるのは、無論ニューシャテル Neuch※(サーカムフレックスアクセント付きA小文字)tel の赤酒であるが、このレマンの湖辺のも、決して悪い方ではない。