Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
ロープとリュックサックは、ティンダル博士がワイスホルンの登山に使ったと云う、頑固な奴だの、救命用具では、丁寧に、かつぐばかりにズックの担荷に包んだ、等身大の人形まで並べてある、繃帯の間から蒼ざめた顔を半分だして、御前も気をつけなよって云ってるようなのが気持ちが悪い。そうそう、去年の秋は、伯林で、山から落ちた奴を村へ担ってゆくところを画いた油画を見たが、ティロールの山が画の大部分を占めて、人間のかたまりは下の方に小さいから、画題はちょっと気になったが、感じはこれほど露骨ではない、何も選りに選って、山の上から落っこった奴を画かないでも、外に画題は沢山ありそうなものだが、ああやって怪我をしたところでさえ、名画の仲間入りのできるところを見ると、なかなか馬鹿に出来ない、無事に頂上に辿り着けば、名画は愚か、何の題にもなることだろうといささか気が強い。そう云えば、イム・バンネ・デヤ・ユンクフラウ Im Banne der Jungfrau には、アイスメーヤを見物に来た旅の男が、クレヴァスに落ちて、やっと死骸を引っぱり揚げた瞬間の、朦朧とした写真があるが、いくら画や写真の題になっても、こんな担荷で下ろされるのはいやだ。