Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
向きそうにも思われない。
登山の期節は、このくらいの高さになると、雪線はずっと麓になってしまうし、第一、二千米突以上の山では、天気が悪ければいつでも吹雪で、真夏だって冬と同じだが、何れにしても、八月一っぱいと限られている。七月も半ばまでは、グリムゼルやゲンミパッスの峠に雪があるくらいで、急な山にはとてもとっ付けない。私は別に日数に制限はなし、懐ろ都合さえ満足なら、今年の冬までこっちで暮らして見たいんだが、山登りの方は時期があるから、そう思うようには登れまい。インテルラーケンで落ち合う筈の近藤茂吉君は、倫敦からやって来るんで、急がしくって急がしくってとか、何とかかんとか体裁のいい事ばかり並べたてて、旅行は一と月限り、九月一日は夕方までに是非倫敦に帰るんだなんて、几帳面なことをしゃべっていた。
ところで、旅行は近藤君と一緒に、八月一っぱいやることにして、この二十六日に、インテルラーケンで出会わす約束になっている。何がさて倫敦で逢ったときも、先生掛け引きがうまいから、グラスゴーから週末でわざわざやって来たと云うのを恩にきせたつもりで、時に、僕はどうも急がしくって、登山案内記の頸っ引きはとても出来やしないよ、万事君に一任することにしたのだから、どこをどう通って、山に登ろうが登るまいが、すべて君の随意でいいってんで