Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
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としてある。アヴァランシュを生じ易しは少々恐しいが、登る奴がみんな死ぬと極った話ではなし、街の中をうろついてても、電車にひかれたり、自動車にはねとばされたり、念のいった奴になると、身体をよくする筈の病院で手当を受けて、御丁寧にいろんな薬まで飲まされても、生きてゆけないのがある位だから、これは死ぬのも生きるのも、場所によったことではない。ことによると山に登らないで麓にいると、かえって、死ぬような目に逢うかも知れない。何だか登らないとかえって危いような気がしてならない。生きて行くには登るに限るとも考えた。いやどうしても登ろう、その方が安全だと、二人の間に解決された。
で、あとは予定通り、オーベルラントの四千米突を、片っぱしから平らげて、それから、ウァリスの山へ這入ろうと云うことに評議一決した頃には、往来の人通りもちらほらになって、山に近い町は、プラタヌスの上葉を甜める夜の風が、明け放した玻璃扉から冷や冷や吹き込んで、酔いざめの身体は、ぶるぶるするくらいであった。
七月二十八日、デジューネーに下りてゆくと、ポルティエがやって来た、昨日の御方が御待ちですってから、はて誰だろうと玄関に出ると、胡麻塩の髯男がぶっきら棒に突っ立ってる。