Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
宿から四十分ほどたつと、ベーニセック B※(ダイエレシス付きA小文字)nisegg, 1773m. の岩角に来た、今まで、東南について来た氷河は、ここから真南に折れ曲るので、私達の前を遮ぎる岩角に、打ち込んだ鉄棒にかじり付いて、漸く頂上まで来ると、オーベレス・アイスメーヤの上に、グロース・シュレックホルンが、殆んど頭の上に仰がれる。グロース・ラウテラールホルンは、その背後に現われたが、この両山岳をつなぐ山稜――明日の朝、私達が攀じ登ろうと云う斜面は、ここから望むことは出来ない。
リュックサックを草の上に投げ出して、私達はベーニセックの頂に近い、草の上に休んだ。後ろは切っ立ての岩壁で、すぐ下は、氷河まで殆んど直立の岩山になっておる。草に寝ころんで、すぱすぱ煙草をふかして居たフォイツは、その懸崖に、一群のエーデルワイスを見出した。スウィスの雪を憶うものが、ヘルヴェティヤとともに、忘れることの出来ない、そのなつかしいエーデルワイスは、ここにと指すことの出来る懸崖に咲いて居る。アルプの旅人が、――幾億と知れない、――いろいろな心をもって、山を仰ぐ幾億の旅人の、果して幾人が、この花を、手ずから摘むことができるのだろう。