Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
私は花を襟に挿して、残りの十の、まだ朝露にぬれたのを、日記の間にはさんで、もう今は世に亡き、高野兄の愛嬢に贈った。墓前に、花はまだ朝露にぬれていよう……。
何か人声がすると思ったら、向うの岩角から、四人づれで下りて来る、今朝シュトラールエックから来たそうで、聞いて見ると、昨日噂に伺った、御病人の連中であった。腹痛氏は画かきである。草の上で挨拶がすむと、悪い癖でスケッチブックを取りあげたら、これは物騒と、一同出発と云うことにする。
路は仲々悪いが、歩けそうもないところには、鉄棒があちこち、手がかりに挿してあるから、別に困るほどのこともないが、日がじりじり照りつけて、日影はさすがに涼しいが、登ってゆく間は、例の十二キロが仲々の荷になる。
相変らず、登ったり下りたりして、いつまでも崖の中腹ばかり通ってゆく。漸くシュワルツエック Schwarzegg の、小屋に着いたのが十一時四十五分、ここで昼飯の用意をした。
小屋は、今夜私達が泊ろうと云う、シュトラールエックの小屋が改築されてからは、古さも古し、大きさから云っても、山に登る上から云っても、今では余り重要なものではない。