Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
喰いつくような格構で、登ったり降りたりするのは随分たまらない。
もうこうなると、登路なんて云うのは当てにはならない、先登のヘッスラーが這いずって行くから、すぐ後からロープに縛られて登ってゆくと、岩の向う側は断崖で、行き止りになっている、すると今度は逆戻りをして、フォイツが先登になって別の岩に攀じ登る、Uchi! とか、Chum ucha! なんて言葉が飽きるほど聞かされた。Uchi は Hinauf! のスウィス語で、Chum ucha は Komm herauf! である、がそれに続いてガイドの間にくりかえされる言葉に至っては、此の岩登りと同様に、私にはてんで見当もつかない。
岩は崩れてカミソリのように鋭くなっている、随分丈夫な切れ地を撰んだつもりだったが、倫敦仕立て下ろしのズボンには、方々に穴が開いて、下から血が滲んで来る、掌などは疵だらけだが、危くて手袋など箝めてはいられない、只満身の力を両腕に籠めて、機械体操の要領で、ずり上るより外は仕方はない。
小屋を発って、丁度八時間目に、やっと雪の山稜の直下に達した、考えて見ると、余り大事をとり過ぎて、余ほどグロース・ラウテラールホルンの方に片寄って登ったように思われる、そしてそれと、グロース・シュレックホルンとをつなぐ山稜の上は、危なくて通れないから、クーロアール