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Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

と気がつくと、凍えた頭にかっと血の上るのを感じたと、あとでくりかえし話して呉れた。

暫くすると、雪をつかんで、私の半身が表われたそうだ。

雪の上に無理やりにもがき出ると、さっきと同じように、世の中の眩しいのに気がついた、眼の前にはヘッスラーがたおれている、左にはフォイツと近藤君が立っておる、私は周りを見廻して、みんなの無事な顔を見ると、なかば夢中でグリュックリッツヒと絶叫した。

すると、まだ雪に埋まったままの、ヘッスラーが太いバスで、

「Ach! Nein, gebrochen!」

と云った、彼の右脚は、ゲイトルをつけたまま、三ツに折れ曲っていた。

「おい! どうした」

「何ともない、君は」

「大丈夫だ、何ともない」

私達は御互いに、生きたまま雪崩の上に取り残されたのに気がつくと、すぐ取り留めのない頭に、人間は死のうと思わなければ、決して死ぬものじゃないと思った、同時に、ああ面白い経験をした、いい土産話が出来たと無闇にうれしかった、そして最後に、妙に滑稽な感じが起った、もしヘッスラーが、苦い顔をして、雪の中で呻いていなければ、私達は無遠慮にも、此の偉大なものの力に反抗して、大声をあげて笑ったに相違ない。