Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

僅かな途に、二時間も費やして、前に、カンパヌラの花を摘んだ、森の木蔭に来て、倒木の幹に腰をかけて、例のウィスキーをあおる。

誰か登って来るなと思って見ていると、二人づれの英吉利の女がやって来た。貴下ですかアヴァランシュで怪我をなすったのはと、人の顔を見るより先に声をかけた。食堂では、貴下がたの評判と、戦争のうわさで持ち切りですなんて、人を馬鹿にしている、それでも紙づつみを拡げて、チョコレイトとボンボンを分けてくれて、手が利かないから、錫箔をはがして呉れたりした。

またそろそろ歩きだすと、途の曲り角で、また二人の女に逢った、これもやはり英国人で、今度はレジンでテルモスの御湯を飲ましてくれる、その次に逢ったのは仏蘭西人、これは何にも呉れなかったが、煙草の火をつけてくれた。身体が達者なら、ろくに挨拶もしまいに、山では怪我はするものだと、心中いささか滑稽な感が湧く。

然し、氷河の終りに近い、千鳥掛けの岩道に辿りついた時は、身体は綿のように疲れ切って、総身は水を浴びたように汗にぬれた、フォイツは依然としてうつむいたまま、少しも頼りにならない。もう意地ずくで、眼の眩むのを我慢して、一歩一歩ずり下りる、が、ベールエックから五時間もかかって、漸くリュチーネの流れのふちに辿り着いた時には、路ばたの草の上に仰むけに倒れたまま