Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
私達は二、三の新聞が、いち早く、グロース・シュレックホルンに於ける私達の遭難を伝えたのを切りぬいて、暢気な旅に於ける出来ごとが、決して夢でなかったと云う証拠にしようとした。
最後にグルンダー君に見舞われた時は、氏は召集されて、カンデルタールを守りに出征するところであった、氏はかなり強度な近視である、しかしスウィスの国民には、殆んど文字通りに、皆兵主義が行われて居るのだ、私達は日の暮れ方、裏手の原で野良着のまま二、三人つれ立って、歩調をととのえて居る鼓手を見かけた、または、たった一人、青葉の蔭に立って、喇叭を吹いてる男もあった、彼等の野良への出かえりに、声をそろえて歌う国歌には
Heil dir Helveta!
が力強く耳に響いた。
八月も半ばを過ぎて、ここに着いた初め、刈り取られた草原は、いつのまにか、また青々と茂って来た、飲みかけたリキュールグラスには、朝起きて見るといくつも蜜蜂が群れている、蔓薔薇の紅い花はもう終って、室は掃除の度ごとに、新しくスウィートピーに飾られておった。私達は、少なくも私は、倦きたというほどの心持はなく、ただ心の充たされた後のものうさを感ずるように、静かに病院の生活を味うている、ベルンに注文したいろんな詩集や小説をひもどいたり、マリーに借りた民謡をみんなで歌ったり、時にはドミノー