Japanische Klassiker mit Furigana
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スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme
朝飯などは論外で、荷物をまとめる、ポーターを呼ぶ、それ会計、それ出発と、足下から鳥のたつようなあわて方で、ポーターと駆けっこをしながら、せいせい呼吸をきって停車場に着くと、乗る間もない位きわどく、それでもやっと間にあった。室におちつくとけろりとして、先ず同乗の御連中を見まわした。御客は五人、ネイルドブーツの足ごしらえ極めて厳重に、それぞれシーを携え、ガイド二人までつれている様子が、ただならず見うけられたから、参考の為に聞いて見たら、何のこったグリンデルワルトに行くんだそうな、大袈裟な。どこへ行くんだと云うから、ユンクフラウ・ヨッホへと答えて置いた。何しろ対手はヤンキーだからやり切れない、I guess, と云うような、耳ざわりな言葉を前置きにして、鼻にぬけた胴間声で、しゃべるわしゃべるわ、而も山岳に対しては、M※(ダイエレシス付きO小文字)nch の発音さえ覚束ないしろ者なんだからあきれかえる。私はガイドの間にわりこんで話しはじめた、が、これにもしたたか凹まされた、スウィス語は文字に表わせばいかにも独逸語だけれど、山人の発音と来たら純粋のシュウィツェル・ドイッチで、や、どうも少なからず閉口してしまう。