Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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スウィスにっき

スウィス日記

辻村 伊助

Lesen Sie スウィス日記 (スウィスにっき) von 辻村 伊助 (つじむらいすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 216.275 Zeichen · 410 Bildschirme

Aozora Bunko

村の奴等は変な顔をして見送っている。漸やく村はずれに来た頃は、もういつの間にか見えなくなって、恨めしそうに、ふり仰ぐ空は、おなじ灰色の密雲である。

村はずれにも教会がある。女まじりにそろそろ坂道を下りて来るのは、野良着をつけた屈強な大男、夏はガイド、陽気はずれの寒空には、杣か、大工の手つだいもして、こうした日曜には、やさしくも神の御前にぬかずくと見える。山の名は、後の日この手合いに聞いて知った。

山は見えず、それでも雲の上には、薄日でもほんのりとさしているようなのに我慢がならず、アルヴをさしはさむ二筋の山脈の、西はフレジェール Fl※(アキュートアクセント付きE小文字)g※(グレーブアクセント付きE小文字)re、東にはメル・ドゥ・グラスの南なるモンタンヴェル Montenvers と、二千米に足らぬ山ながら、夏場には開けるとあるホテルも見えて、せめてあすこまでと、例の屈強に伺えば、それはシャモニー村の御百姓、かんらかんらと打ち笑い、旦那、なにヨ云うだよ、この大雪のあとだってにねッと、ただ一言に打ち消された。フランスだけに、田舎ながら言葉づかいはおとなしい、旦那はモッシュールの訳と知るべし。